TORABARD
Free style Design Project
PRINCIPLE
活動理念
「小さなイノベーションをデザインするコンテンツ」
〝いじめをする子には想像力(そうぞうりょく)がない。 いじめられた子の気持ちを想像できないから無意識にいじめをする。 そして大人にも想像力がない。 だからいじめが起きているという実態を把握できない。 いじめは、いじめる子や大人に想像力(そうぞうりょく)を持ってもらうことでしか止まらない。〟
これはとある元子役タレントが、ネット上でつぶやいた言葉です。
この言葉に触れた瞬間、これは現在起こっている様々な社会問題の起因を象徴していることだなと感じました。
そしてこの言葉をきっかけに、〝想像力〟という部分にフォーカスし注目したのが「デザインシンキング」です。
■デザインシンキングとは?
今までの延長線上にはないまったく新しい発想やアイデア、「ゼロ」から「イチ」を創りだす創造的問題解決手法であり、左脳と右脳を両方使ったハイブリッド知的生産性を効率よく発揮させる思考法でアーティストやクリエイターが有するスキル。
2005年にスタンフォード大学にd.schoolが創設されたことで、ハーバードなどの米国のMBAトップスクールでも「デザイン」の授業に注目が集まり、
2008年にハーバードビジネスレビューにてIDEO(アイディオ)のCEOであるティム・ブラウン(Tim Brown)氏が「IDEOデザイン・シンキング」を発表したのを契機に、ビジネス領域での関心が高まっていった。
デザインの語源は、企画立案を含んだ設計あるいは意匠、「指示する,表示する」という意味を表すラテン語 「designare」だが、この言葉の意味をラテン語ではなく英語の「design」で見解すると、
「de+sign」となり「de」は、分離や除去、否定、「sign」は記号という意味であり、
これは「de+sign=記号からの離脱」と解釈でき、「カタチある既存の概念を壊して新たな価値を創出すること」といえる。
顕在化されている従来の延長上を探求するのではなく、現時点で存在する概念を壊し、そこから可能性を見出して創造すること、つまりデザイン=イノベーションということであり、
近年では企業がイノベーションを生み出すためのマネジメント手法として活用されており、日本でも東京大学や慶應義塾大学でデザインシンキングを学ぶカリキュラムが取り入れられている。
この「TORABARDプロジェクト」は、
企業がイノベーションを生み出すためのマネジメント手法としても活用している「デザインシンキング」を、押し込み型のアカデミックな手段ではなく、よりエモーショナルに、人々の感性に訴えかけることのできるコンテンツを通して拡げることで、ものごとを頭だけで理解するのではなく、心でも感じることのできる人間が1人でも多く増えること。
そしてその1人ひとりが自分の周りから小さなイノベーションを起こしていくことが、様々な社会問題の解決に繋がるという理念でコンテンツを制作していく活動です。
作品に触れることで生活に少し彩りが増し、より良い方向へ前進できるようになること。
受け手の世界観を拡げなんらかの行動変容をもたらし人生をハッピーに変革することがエンターテイメントのあり方だと考えています。
このプロジェクトでは小説と音楽からスタートして、小さなイノベーションをデザインする様々なコンテンツを発信していく予定です。
■デザインシンキングのプロセス
①リサーチ → ②分析 → ③統合 → ④制作 が基本のプロセスであり、
旅人(リサーチ) ジャーナリスト(分析) 編集者(統合) クラフトマン(制作)の4つのモードに例えられます。
①旅人(リサーチ)
まず、旅人のように非日常の場に訪れ、体全体を使って現場を感じ、好奇心を持ちながら普段自分が知らない世界に徹底的に浸ります。
その非日常で感じた興奮を残しておくために、必死でメモを取ったり、写真に収めたりします。旅人といっても事前にあまり予定を決めすぎず、現地で知らない場所を歩き回ったり、そこで出会った人との語りをブログでアップする旅人のイメージです。
②ジャーナリスト(分析)
旅から帰ってきたら取材後のジャーナリストのように旅の内容をメモや写真から振り返り、正しく伝えられる事実と自分なりに感じた解釈を左脳を使って分析し、腹に落として消化します。
③編集者(統合)
自分が旅で得た様々な事実や新たな切り口を刺激にしながら、ユーザーが生活の中で困っていることや価値観を、雑誌編集者のように切れ味鋭いキャッチコピーと、印象的な写真を使って1枚の絵で表現します。
④クラフトマン(制作)
最後はイメージした世界観の中で実在したらいいなと思える商品やサービスなどのアイデアを、クラフトマンのように手を動かしてカタチにして実現します。
引用:『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 佐宗 邦威 (著)
小説「TORABARD」では、ストーリーにデザインシンキングのプロセスを取り入れています。
主人公ニトロを中心にデザインシンキングを実行し〝人をハッピーにする小さなイノベーション〟を起こしていくストーリー内容となっています。
ものごとを多角的に捉える力や本質を見抜く洞察力、さらに新たな価値を生み出す創造力を発揮することがデザインの役割です。
実際に世の中を一気に変革することは難しいことですが、1人ひとりが自分の周りからより良く変革することはできるはずです。
まずはその小さなところからイノベーションを実現できるよう、コンテンツを通して皆さんのデザインハートを揺さぶり、心でリンクしてもらうこと。
それがやがてソーシャルイノベーションに繋がれば嬉しいです。